マダガスカル北西から南西部にかけて居住するサカラヴァ族の墓標「アロアロ」のてっぺん部分です。

「長い渓谷に住む人々」という意味を持っているサカラヴァ族は乾燥した風土に生きる半遊牧民です。内陸部では牛の牧畜をして、海岸部では魚をとり暮らしています。16世紀ごろには王国を築いて繁栄していましたが、やがて中央高地のメリナ王国に押されて衰退していきました。
メリナやベツィレウといった中央高地の部族のように死者を埋め戻す(墓から遺骨を取りだし弔いなおす)という文化を持たず、「フィタンポハ」(Fitampoha)といった伝統的な儀式を通じて先祖とコミュニケーションを取り合っているとされます。

サカラヴァでは故人の魂はさまざまな動物を魂の器として使用すると考えられています。ゼブ(コブウシ)や鳥(トキ)といった代表的なモチーフの他、コブガモ、ワニ、カメレオンが神聖とされてアロアロに象徴的に取り入れられています。
こちらのアロアロは1920年頃にムルンベ地方で見つかったものなので、実際にはもっと以前に作られたものだと思います。
2羽の鳥が並んでいましたが、1羽が1本の足を残して飛び去りました。そのため、八咫烏をイメージさせるような3本の足のフォルムとなっています。

代々伝統的な技術を受け継いだ職人がこうした墓標=アロアロを生み出しています。
とあるマダガスカルの職人は「わしの父は、ウシ1頭とひきかえに彫刻を作って暮らしてきた。わしの彫刻は、海外でも高く評価されているので、ウシ1頭よりも高いよ。」(「
墓標を刻む」国立民族博物館アーカイブより)と自慢気に語っています。

1896年にフランスが植民地化したことでアロアロが「発見」され、一部のマニアが価値のあるものとして取引するようになりました。そしていまでは盗難されるという事態が起きてしまっています。
土に還ったり、盗難されたりと、さまざまな要因が重なり手に入りづらいものとなっています。

広葉樹の Hazomalanga という1本の木から彫り出されています。表面には風化があり、地衣類が生い茂っていた痕跡があります。
「朽ちる」と「朽ちない」の間に3本の足で立っています。

マダガスカルの独自の気候にさらされて人為的に作り出せないテクスチャとフォルムとなった鳥の像です。
サカラヴァ族の古いアロアロの一部です。風雨による浸食、地衣類の付着痕跡、その他、ワレ・欠け・汚れ等のダメージがあります。
こちらの墓標には写真にある簡易的なスタンドが付属します。
お品の詳細は掲載写真にてご確認をお願いいたします。気になる点やご質問、サカラヴァ族、及び、アロアロについての情報等がございましたら、「
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<参考サイト・参考文献>
「
サカラヴァ人」(wikipedia)
「
FITAMPOHA」(vimeo.com)
「
メリナ人」(wikipedia)
「
ベツィレウ人」(wikipedia)
「
墓標を刻む」(国立民族博物館)
「
Aloalo」(wikipedia)
「
Burial - Madagascar」(australianmuseum.net.au)
「
Aloalo, Mahafaly Sculptures Of The Efiaimbelos」(artmap.com)
「
South-Western Madagascar」(sulama.de/リンクをクリックするとPDFが開きます)
「
八咫烏」(wikipedia)
●原産国
マダガスカル南西部 Southern Madagascar
ムルンベ地方 Morombe
●部族
サカラヴァ Sakalava
●本体のおおよそのサイズ
h28.0 x w9.0 x 8.5 cm
*上記サイズにスタンドは含みません。
●重さ
約433 g
●材質
木(Hazomalanga)、地衣類の付着痕跡
●推定年代
1920年頃
●来歴
EX. in situ.
EX. gallery collection(de)
【重要】
*こちらの墓標には簡易的なスタンドが付属します。
*サカラヴァ族の古いアロアロの一部です。風雨による浸食、地衣類の付着痕跡、その他、ワレ・欠け・汚れ等のダメージがあります。
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