ナイジェリア北西部「ソコト」(Sokoto)で発見された壺です。出所はギャラリーの古いコレクションで、トーゴで保管・保存されていたものです。

ナイジェリア北西部のソコトからやってきたテラコッタです。地面から力を吸い上げそうな膨らみのあるフォルムで、表面にはくっつきすぎず離れすぎないイボが配置されています。
ソコトはアフリカ最古といわれている「ノク文化」(Nok/BC500〜AD300 or BC900〜AD600)と同時代とされる「ソコト文化」まで遡る古い歴史を持つ土地です。

ちなみに、ノク文化の発見は1928年にイギリスの鉱山技師J. Dent Youngが、ジョス高原の南斜面と西斜面でのスズ採掘作業中にサルの横顔の形をした陶片をたまたま見つけたことがきっかけとなりました。
1943年に地理学調査局の報告がイギリス人考古学者バーナード・ファグ(Bernard Fagg)にもたらされて、出土品の観察や収集からひとつの文化的伝統を構成すると考えたファグにより、村の名前にちなんでノク文化と名づけられました。
ノク文化の居住層の放射性炭素年代測定を行ったところ、紀元前5世紀から紀元後3世紀のもの(BC500〜AD300)という結果が示されました。
そして、最近の熱ルミネッセンス法によると紀元前900年ごろまでさかのぼるものや、紀元後6世紀(BC900〜AD600)という結果を示した出土品もあり、さらに深く長い歴史を持つ可能性もでてきました。一方、ソコト文化はノク文化ほど調査が進んでいないようです。

アフリカ最古とされる「ノク文化」と同時代の「ソコト文化」の出土品かもしれません。もしくは、ソコトがサハラ交易の中心地として砂漠越えのキャラバンでにぎわった13世紀頃のものとも考えられますが、はっきりとした年代は不明です。

こうした壺が原型をとどめたまま見つかることは稀で類型も見あたりません。いずれにしても情報の少ないソコト文化の道しるべとなる興味深い作品だと思います。
元々、青と白のペンキで一部を塗られていたそうで儀式に使用された時期もあると思われます。経年使用によるダメージやリペアしたような跡がところどころに見受けられます。大切に扱われてきたことが分かるそうした痕跡からも、特別な壺であったことが想像できます。

トーゴのギャラリーと交渉を重ねて手に入れることができました。日本への到着まで思っていた以上に日にちを要したため、こうして無事にお披露目することができて嬉しいです。

風雨と使用にさらされ続けたことでザラつきのある立体的なテクスチャとなっています。土そのものの茶色に力がこもり、「本当の茶色」を目の前にしている気がしてきます。
とても古いもので時代経過と使用に伴ういくつかの亀裂・割れ・イボの欠損・リペア跡・キズ・汚れといったダメージがありますが、こうした壺としては比較的良好な状態で手に入れることができたと思っています。
こちらのお品にはスタンドは付属しません。
詳細は掲載写真にてご確認をお願いいたします。気になる点やご質問、ノク文化及び、ソコト文化についての情報等がございましたら、「
お問い合わせ」からご連絡をお願いいたします。
<参考サイト・参考文献>
「
6 斧を持った男性立像」(African Art Museum 館長ブログ)
「
ソコト」(wikipedia)
「
ノク文化はサハラ以南のアフリカの最も初期の文明でしたか?」(greelane.com)
「
ノク文化」(wikipedia)
「
バーナード・ファグ」(wikipedia)
●原産国
ナイジェリア北西部ソコト North West of Nigeria Sokoto
●部族
-
●本体のおおよそのサイズ
h31.0cm、w33.0cm
●重さ
約6.0kg
●推定年代
年代不明
●来歴
EX. in situ.
EX. old collection, Lome(Togo)
【重要】
*こちらのイボ壺にはスタンドは付属しません。
*時代経過と使用に伴う亀裂・割れ・イボの欠損・リペア跡・キズ・汚れ等のダメージがございます。
[ン・マのアイテムについて]
モニターの環境(PC・スマホ)により見え方が異なる場合がございます。ン・マで扱っているものは1点ものがほとんどです。アフリカの部族による儀式痕跡として、ワレやキズ、シミ、汚れ等々、ダメージのある場合がございます。アイテムの状態に関してより詳しくお知りになりたい場合は、「
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