ナイジェリアに住むエド族 Edo(=ビニ族 Bini)の王族御用達と思われる動物を象った木像です。エド族はベニン帝国を築いた中心的な部族として知られています。
おそらく Leopard ヒョウ を象ったものです。ヒョウのモチーフはエド族の「Oba」(王)を象徴するものであることから、宮廷や神殿に安置されたものだと推測しています。

かつてObaは神聖で魔法の力を持っていると信じられていました。実際に飼っていたヒョウを儀式の生け贄として捧げたり、人身御供をしていたといわれています。
「食べる」「洗う」「寝る」「死ぬ」等、Obaが人間のように行動したことを口外することはきびしく禁じられていたようです。Obaは謎に包まれていて儀式以外ではあまり姿を見せなかったといいます。もしかすると、人々の目を避けてヒョウに乗り移って行動していたのかもしれません。
▲Eheneden Erediauwa Ewuare II, the Oba of Benin
ベニン帝国は19世紀末に崩壊しましたが、王族は継続して現在もエドにはObaが存在しています。(ちなみに現在のObaは2016年10月20日に戴冠した
Ewuare II です。)
こうした像はブロンズで作られるケースがほとんどですが、類型のみられない木製のタイプを初めて手にしました。なんだか怖いような表情をしていて、すぐにはなついてくれなそうな野生の雰囲気があります。

ブロンズではなく木で作られていることになにか特別な意味が込められているような気もします。祖霊信仰にまつわる儀式のために使用された可能性のある貴重な作品です。

エドではいまも「創造神、英雄、死霊などを崇拝する伝統宗教も生きており、呪術や妖術も行われている」そうです。
どうやら王族の継続のためにもそうしたマジカルな要素は不可欠らしいのです。
Obaのために使役されてきたためか、右後ろ足の一部に欠損があったり、その他に欠損・顔面部のワレと浸食・全体の浸食・欠け・汚れといったダメージ等がございます。
詳細は掲載写真にてご確認をお願いいたします。気になる点やご質問等がございましたらお気軽に「
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<参考とさせていただいたサイト>
・「
African Art 11 ナイジェリアのイフェ、ベニンの美術」(アフリカ旅行の道祖神)
・「
46 一対の豹の像」(African Art Museum 館長ブログ)
・「
エド族とは」(コトバンク)
・「
ダホメの宝貝通貨と奴隷貿易」(明星大学)
・「
エドについて」(canakanacorn archives/ブログ)
・「
Kingdom of Benin」(wikipedia)
・「
Oba of Benin」(wikipedia)
・「
Oba Ewuare II: A quintessential monarch at 66」(The Gurdian)
●原産国
ベナン共和国 Republique du Benin
●部族
おそらく エド族 edo
●材質
木
●本体のおおよそのサイズ
横幅 約20.0cm、高 約15.0 cm
●年代
-
●来歴
Ex. in situ
Ex. gallery collection(de)
【重要】
*こちらの像にはスタンドは付属しません。
*右後ろ足の一部に欠損があったり、その他に欠損・顔面部のワレと浸食・全体の浸食・欠け・汚れといったダメージ等がございます。
[ン・マのアイテムについて]
モニターにより見え方が異なる場合がございます。こちらは新品ではございません。長い年月を経てアフリカで使われてきた「自然の風合い」として、細かいキズやシミなどがある場合がございます。ビンテージの良さをご理解の上、ご注文をお願いします。状態に関してより詳しくお知りになりたい場合は、ご注文前にメールにてお問い合わせくださいませ。