マダガスカル中央高地南部、フィアナランツォア州の高原部に主に住むベツィレウ族の家に取り付けられていた伝統的な木の扉です。
*マダガスカルの部族のお品です。コレクションからベツィレウ族の扉を紹介させていただきます。

高地民族グループに属する「ベツィレウ」は「無敵の人々」という意味を持ち、マダガスカルのなかでもちょっと特別視されている部族のようです。
さらに、ベツィレウ人(とメリナ人)は「陽の下の民族」とも呼ばれていて、文化の違いからか海岸部に住む他民族と対立しがちだといわれています。

こちらはそんなベツィレウの家の窓枠に取り付けられていた伝統的な扉です。堅木に(キリスト教の影響を受けたと思われる)円形の文様が彫られていて、ロマネスクでエキゾチックな雰囲気があります。
高地のため電気も水道もない村も多いといいます。おそらくインターネットもつながっていないため伝統文化がオリジナルのまま続いているのだと思います。

扉の内側にはダメージとともに、1956年に刻まれたと思われる文字が見受けられます。

碑文のような「VYTA TAMIN TAONA」?? の文字。ベツィレウの人の名前でしょうか。

ベツィレウでは乾季の8月から10月にかけて独自の葬送儀礼にまつわるお祭りが盛んに行われるそうです。
「仮埋葬した遺骨を本埋葬するときや、墓を新築したときなどに催され、墓から遺骨を取りだし(〜中略〜)弔い直す一種の改葬祭である。」そうでベツィレウの人々にとって先祖供養の重要性を感じます。
また、「死者の記念のために、死後1年ないし数年のうちに、石の立柱(男石vato lahyと呼ばれる)あるいは平たい円形の石(女石vato vavy)を配置することが特徴」とされ、死者を祀るお墓のような場所がベツィレウの村のどこかにあるようです。
▲独自の葬送儀礼を持つ「ベツィレウ人の墓」。(Betsileo tomb in the Anja Reserve, Madagascar / Bernard Gagnon)
ベツィレウ族が実際に使用していたオリジナルの扉です。
実際に古くから使用されていたもので、欠け・ワレ・シミ・浸食・虫食い穴・穴・汚れといったダメージ等がございます。経年使用で風雨にさらされてきたことを思わせる佇まいです。
参照サイト:
「
祖先の島・マダガスカルの祭り」(マダガスカル研究懇談会)
「
「減退する森と人」-ザフィマニリ社会について-」(マダガスカル研究懇談会)
「
ベツィレウ人」(wikipedia)
「
彫刻が生み出す独創的な家屋を訪ねて マダガスカル・ザフィマニリ」(Takuo Shikata)
●原産国
マダガスカル Madagascar
●部族
ベツィレウ族 Betsileo
●本体のおおよそのサイズ
h45.5cm、w37.0cm、厚3.3cm
●重さ
約 2.0 kg
●推定年代
20世紀前半
●素材
広葉樹
●来歴
EX. in situ(現地収集品)
EX. Art dealer(IT)
【重要】
*こちらのアイテムにはスタンドは付属しません。
*使用の痕跡のある古いお品です。欠け・ワレ・シミ・浸食・虫食い穴・穴・汚れといったダメージ等がございます。
[ン・マのアイテムについて]
モニターにより見え方が異なる場合がございます。こちらは新品ではございません。長い年月を経てアフリカで使われてきた「自然の風合い」として、細かいキズやシミなどがある場合がございます。ビンテージの良さをご理解の上、ご注文をお願いします。状態に関してより詳しくお知りになりたい場合は、ご注文前にメールにてお問い合わせくださいませ。